ここ数年で「生理の貧困」が話題になることが多いですが、理解できない・意味不明と思う人も多いようです。
生理の貧困=ナプキンを買えないというイメージで、「ナプキンぐらい買えるでしょ」「他のことを節約したらいいのでは」といったナプキンすら買えないのが理解できない意見がたくさんあります。
私も最初は「ナプキンが買えないぐらい貧しいんだ」と思っていました。
しかし生理の貧困の問題を知ると、経済的な理由で買えないのではないとわかりました。
ネグレクトなどの虐待をされていてナプキンを与えてもらえない子がいるんですよ。
もちろん経済的な理由もあります。
私も1人暮らしをしていた時は生理用品にお金を使うのが苦しかったですもん。
理解できない・意味不明ですませず、どういう問題があるのか、生理の貧困について考えてみました。
友だちの「吸水ショーツって知ってる?」の言葉をきっかけに、生理用品を調べてみたら「めっちゃ種類あるやん!」ということに気付きました。
女性でも生理用品について知らないことが多く困る場面があるので、知ることで選択肢が増えて少しでも生理中の悩みが減ればいいな~と思っています。
アラフォー主婦、中学生娘と小学生息子の母です。医者や専門家ではないけど、小学6年生から付き合ってきた生理、妊娠、出産を経験しているからこそわかる目線で生理用品について書いています。
私自身は40歳になる頃から生理が2~3ヶ月来ないことが増え、生理になる薬で順調に来るようになったと思ったらまた止まり…を繰り返していて、40代半ばで閉経するかもしれないので薬を飲んでいます。
生理の貧困は理解できない・意味不明ですまない問題
厚生労働省が令和4年3月に発表した「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」では、生理用品の購入・入手に苦労したことがあると回答した人が回答者の8%いたようです。
○生理用品の購入・入手に苦労している人の分布(第1表)
厚生労働省ホームページより
「新型コロナウイルス発生後(2020年2月頃以降)、生理用品の購入・入手に苦労したこと」が「よくある」「ときどきある」のは回答者の8.1%(244人)であった。「よくある」「ときどきある」の割合は、年代別にみると30歳未満で、世帯年収別にみると300万円未満の者で、それぞれ高くなっていた。購入・入手に苦労した理由は「自分の収入が少ないから(37.7%)」「自分のために使えるお金が少ないから(28.7%)」「その他のことにお金を使わなければいけないから(24.2%)」等が挙げられた。
女性は生理があるので毎月生理用品を買わないといけません。
私は独身の頃は1人暮らしをしており、あまりお金がなくて生理用品を買うのがイヤでした。そんなに高い物ではないとはいえ、他のことにお金を使いたいと思ったものです。
でもないと困るし。
なんで女性だけ余計なものを買わないといけないのか…とも思ったな
生理の貧困は、単純にお金がなくてナプキンが買えないというわけではありません。
他のことを節約して買えばいいのにと、理解できない人はいるでしょうね。
生理の貧困が意味不明だと思うなら、どんな理由があるのか知る機会にしてほしいです。
- 親が買ってくれない(ネグレクトや虐待)
- お金がなくて買えない(小学生や中学生)
- 自分で買いに行けない(車・お金がないとお店に行けない)
- 学校でもらっても返却しないといけない(返却するナプキンを用意できない)
- 生理用品はナプキンだけじゃない(他にも必要な物がある)
親が買ってくれない
理解できないかもしれませんが、親からネグレクトや虐待をされていて、ナプキンを買ってもらえない子どもがいます。
父子家庭で、父親が性に対する理解がなくて言い出せないこともあります。
貧しいわけではないのに、子どもがナプキンを使うのを「ませている」と思ったり、必要がないと与えてくれない毒親がいるんです。
理解できないですよね…意味不明だ
ネグレクトや虐待をしている親は、子どもの生理のことまで考えないでしょう。
親に放置されて誰にも相談できずに初潮を迎え、どうしたらいいのかわからずトイレットペーパーやタオルでしのいでいる子がいると思うと心が痛くなります。
生理のことを教えてもらってなかったら、病気だと思うだろうね
親がナプキンを買ってくれないのは意味不明と思うかもしれませんが、子どものことを考えない毒親はいるんですよ。
お金がなくて買えない
もちろんお金がなくて買えないこともあります。
ナプキンはコンビニや100円ショップでも置いてあるようになりました。
「どこでも買えるのに買えないなんて理解できない」と思うかもしれませんが、自分で使えるお金を持っていない子どもからすれば安くても買えないんです。
高校生になってバイトを始めて、やっと買えるようになったというコメントも見たことがあります。
親がケチって買ってくれないので、1つのナプキンをずっと使っていたという人もいましたよ。
自分の足で買いに行けない
近くにお店がなくて買い物は車で行くしかない場合、子どもは自分で買いに行けません。
親が買ってきてくれないと手に入らないのに、親が買ってきてくれないのでどうしようもできません。
保健室でもらえても返さないといけない
学校の保健室でナプキンをもらったらいいと言う人もいますが、もらったら返さないといけない学校が多いです。
自宅にナプキンがないのに返せないですよね。
保健室に置いているのは、急に生理になってナプキンを持っていなかった時用なんでしょうね。
もし先生がナプキンを買ってもらえないのを理解できない人だった場合、何度ももらいに行くと「おうちで買ってもらってね」と言われるかもしれません。
それを言われると、もうもらいに行けません。
生理にかかるお金はナプキンだけじゃない
生理用品はナプキンだけではありません。
サニタリーショーツ・ナプキンを持ち歩く時のポーチ・プールに入るためのタンポンなど、生理の時に使う物はたくさんあります。
生理痛がひどいと薬を飲まないと耐えられない人もいます。
生理で不快な思いをしないようにいろんなグッズを揃えようと思うと、お金がかかります。
生理用品は人からは見えないところに使う物なのでどうしても優先順位が低くなるんですよね…
生理で辛い思いをしたことがない人からしたら「そんなに大変じゃないでしょ」と意味不明だと思うでしょうね。
ナプキンを使えない時にしていた対処法
生理の貧困でナプキンを使えない人がしていた対処法を知ると、泣けてきます。
- トイレットペーパー・キッチンペーパーで代用
- タオルやハンカチで代用
- 1つのナプキンを長時間使う
トイレットペーパーやキッチンペーパーを何重にもして当てていたやり方が多かったです。
ゴワゴワするしズレるし、絶対不快ですよね…
理解できないかもしれないですが、こうやってしのいでいる人がいるんですよ。
1つのナプキンを替えずに長時間使っている人も多かったです。
ナプキンの上にトイレットペーパーを敷いて、なるべくナプキンが汚れないようにしてギリギリまで使っていたようでした。
タオルやハンカチを切って使っていた人もいました。
布なら洗ってまた使えますが、漏れるし下着にフィットはしないでしょうね。
生理の時にナプキンを使わないなんて意味不明と思いますか?
使いたくても使えない人がいるんですよ。
ナプキン以外の生理用品は管理が大変
今ではナプキン以外の生理用品がたくさんあり、選択肢が増えています。
布ナプキン・月経カップは一度買えば洗って何度も使えるので経済的ですが、生理の貧困を解消するためにそれを使えばいいというのは安易な考えだと思います。
生理になったらナプキンは誰でも知っていても、布ナプキンや月経カップは存在すら知らない人のほうが多いです。
子どもは親が使っていなかったら知らないでしょう。
買うにしても最初にまとまった金額で購入しないといけないので、子どもに買える金額ではありません。
使い方も最初は難しいですしね。
使ったあとの手入れも大変です。
布ナプキンは洗って干さないといけないですし、月経カップは煮沸消毒が必要です。
毒親で子どもの生理に理解がない家庭だと、まず子どもに買い与えないし、家で手入れをしていたら「何してんの!」と怒られる可能性があります。
新しい生理用品は買うのも使うのもハードルが高いです。
トイレにナプキンを設置した場合の問題
生理の貧困で困っている女性のために、学校などのトイレにナプキンを設置してほしいという意見があります。
日本では今やトイレにトイレットペーパーがあるのは当たり前ですよね。
それと同じようにナプキンが置いてあって、無償で使えるようになれば助かる人が多くなります。
学校なら親にナプキンを買ってもらえない子どもでも使えます。
しかしただ置けばいいというものでもなく、問題もあります。
問題点
- 衛生面が気になる
- 持ち帰る人がいる
- 自分で用意しなくなる
- 肌に合わないかも
無償で置くなんて理解できないといった意見もたくさんあるんですよ。
そこまでしないといけないなんて意味不明だと思う人もいるようです。
衛生面が気になる
ナプキンをカゴなどに入れて置いておく場合、不特定多数の人が使うトイレだと衛生面が気になる人もいるでしょう。
- 誰かが一度開けたかもしれない…
- ずっと置いてあったらホコリや虫が入っているかもしれない…
- 男女共同トイレの場合、いたずらする男性もいるだろう
ずっと置いてあって誰が何をしているかわからないナプキンを、下着にずっとつけるのには抵抗があると思う人もいます。
ナプキンにいたずらするとか意味不明だね
お店によっては置いてあるところもありますが、学校に置くとなるとまだまだ難しいでしょうね。
持ち帰る人がいる
無償で誰でも使っていいとなると、持ち帰る人が出てきます。
お金に困っているわけでもないのに「タダだから」と持ち帰るんです。
人目がないトイレだとカバンに入れやすいですしね。
無償にしようとすると必ず出てくる問題です。
自分で用意しなくなる
トイレにナプキンがあると思うと自分でナプキンの用意をしなくなります。
トイレに行けばあるんですから。
子どもの頃からあるのが当たり前になると、外出時に自分で用意しない子になる、と心配している親がいました。
生理の貧困を理解できないとそう思いますよね。
肌に合わない
公衆のトイレに置いてあるナプキンの銘柄が肌に合わない可能性があります。
合わなくて高いナプキンを使っている人もいますもんね。
自分の好みのナプキンが置いてないと、肌に合わないまま使うことになります。
本当に困っている人に届くように
生理の貧困をなくすためにトイレにナプキンを、というのはよくわかります。
とてもいい考えだとも思います。
そこに反発的な意見が出るのも仕方がないでしょう。
ナプキンもタダで欲しいなんて理解できない、自分で用意するものだ、学校に置くなんて意味不明といった書き込みを目にしました。
今困ることなく生活できている人はそう思うでしょうね。
大事なのは、自分で助けを求められず我慢して耐えている人に救いの手を差し伸べることではないでしょうか。
本当に困っている人がナプキンを手に取るようにできれば…
自治体がナプキンを無償提供しているところもありますが、そんなことがあるなんて知らないんです。子どもならなおのこと知らないし、もらいになんて行けません。
困っている人に届くように考えなくてはいけないと思います。
社会の問題のひとつ|買えないだけが問題ではない
生理の貧困について考えたら、根本的な問題はナプキンが買えないことだけではないんだなと気づきました。
ナプキンが買えないなんて意味不明と思っていたけど、金銭的な理由だけではないんです。
親側に生理や性教育についての知識がなく歪んだ価値観を持っていると、子どもに対して適切な対応をしてあげません。
虐待をされている子どもは、他の必要な物すら与えてもらえないのにナプキンなんてもらえません。
私は娘に生理になった時の対応やナプキンの使い方などを教えてきましたが、それをしない人がいるのも現実なんだなと痛感しました。
生理になったけど十分な生理用品が手に入らなくて困っている子どもを、どうやって救ってあげたらいいのか、理解できない・意味不明と突き放すのではなく、根本的な原因をなくしていくのが大事だと思いました。
買う時に多少のお金は必要ですが、布ナプキンなら一度買えば洗って何度も使えます。
ゴミも出ませんし、お風呂に入る時に洗えば家族に見られません。
使い捨てのナプキンを毎月買えない状況なら、布ナプキンを使う習慣をつけてみるのもいいかもしれないですね。
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